[数1] 2次式の因数分解

ここでは因数分解において必要な「共通因数」の考え方と、「2次式の因数分解」をみていきます。
因数分解は方程式を解くときなど、必要になる場面が少なくありません。公式を確認し、実際に計算できるようにしましょう。

因数分解とは

因数分解とは、1つの多項式を、いくつかの多項式の積で表すことをいいます。

因数分解とは、いわば展開の逆のような操作です。

たとえば、\(2(x+y)\) は、
\(2(x+y)=2x+2y\) と展開できるのでした。

この計算の逆をたどると、
\(2x+2y=2(x+y)\) となり、
\(2x+2y\) を2つの多項式
\(2\) と \(x+y\) の積で表しています。

もう一つ例をあげてみましょう。

\((x+2)(x-2)\) は、
\((x+2)(x-2)=x^2-4\)
のように展開できるのでした。

この計算の逆をたどると
\(x^2-4=(x+2)(x-2)\) となり、
\(x^2-4\) を2つの多項式
\(x+2\) と \(x-2\) の積で表しています。

これが因数分解です。

「因数分解とは展開の逆をたどること」だと思っていればよいです。

なお、因数分解してでてくる一つ一つの式を、因数といいます。

共通因数でくくる

本題である2次式の因数分解をみる前に、
まずは「共通因数でくくる」ことをみましょう。

共通因数

共通因数とは、すべての項に共通してふくまれる因数のことをいいます。

たとえば、\(2x\)と\(2y\) の共通因数は \(2\) となります。

また、

\(3x^2y^3=3x^2y^2{\times}y\)、
\(6x^3y^2=3x^2y^2{\times}2x\)
であるので、

\(3x^2y^3\) と \(6x^3y^2\)
の共通因数は \(3x^2y^2\)となります。

共通因数でくくる

因数分解を考えるときは、まずは共通因数でくくりましょう

\(2x^2+4xy+4zx=2x(x+2y+2z)\)、
\(al+3am-4an=a(l+3m-4n)\)

のような具合です。

2次式の因数分解

2次式の因数分解公式

さきほど例の因数分解は\(x\) の2次式の因数分解でした。

またこれ以外にも、

\(x\)の2次式 \((x-3)(x+2)\)

を展開すると \(x^2-x-6\) になりますので、

\(x^2-x-6=(x-3)(x+2)\) と因数分解できます。

このように、2次式の因数分解を計算することはよくあります。
(中学校でやった記憶がある人もいますよね?)

そのときには、「2次式の因数分解公式」を使うと効率よく計算できます。

まずは公式を確認しましょう。

2次式の因数分解公式
  • \(a^2+2ab+b^2=(a+b)^2\)・・・(1)
  • \(a^2-2ab+b^2=(a-b)^2\)・・・(2)
  • \(a^2-b^2=(a+b)(a-b)\)・・・(3)
  • \(x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)\)・・・(4)
  • \(acx^2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)\)・・・(5)

たとえば、公式(3)より
\(x^2-9=x^2-3^2=(x+3)(x-3)\) 、

公式(4)より
\(x^2+5x+6=x^2+(3+2)x+3\cdot2=(x+3)(x+2)\)

のように因数分解できます。

なお、公式が成り立つことは、右辺を展開することで確認できます。

\((a+b)^2\) を展開すると
\((a+b)^2=a^2+2ab+b^2\)
となるので、(1)が成り立つことがわかります。

\((a+b)(a-b)\) を展開すると
\((a+b)(a-b)=a^2-b^2\)
となるので、(3)が成り立つこともわかります。

残りの式も同じように示すことができます。
自分で確認してみましょう。

因数分解の計算:その1

ここまでで2次式の因数分解公式を確認しました。

では早速実際に計算をしてみましょう。
(ヒント:まずは共通因数をくくりだす。)

例題1

次の式を因数分解せよ。

(1) \(4m^2-16n^2\)
(2) \(a^3-9ab^2\)
(3) \(3xy^2-6xyz+3xz^2\)

解答・解説

(1)
まず共通因数をくくりだす。
\(4m^2-16n^2=4(m^2-4n^2)\)
となる。

そして公式(3)より、
\(4(m^2-4n^2)=4(m^2-(2n)^2)\)
\(=4(m+2n)(m-2n)\)
となる。

したがって、
\(4m^2-16n^2=4(m+2n)(m-2n)\)
が正解となる。

(2)
まず共通因数をくくりだす。
\(a^3-9ab^2=a(a^2-9b^2)\)
となる。

そして公式(3)より、
\(a(a^2-9b^2)=a(a^2-(3b)^2)\)
\(=a(a+3b)(a-3b)\)
となる。

したがって、
\(a^3-9ab^2=a(a+3b)(a-3b)\)
が正解となる。

(3)
まず共通因数をくくりだす。
\(3xy^2-6xyz+3xz^2\)
\(=3x(y^2-2yz+z^2)\)
となる。

そして公式(2)より、
\(3x(y^2-2yz+z^2)=3x(y-z)^2\)
とる。

したがって、
\(3xy^2-6xyz+3xz^2\)
\(=3x(y-z)^2\)
が正解となる。

因数分解の計算:その2

\(x^2+5x+6\) を因数分解するとき、次のように考えます。
(中学で習って覚えている人は、とばしてもらって構いません。)

公式(4)より、
\(x^2+5x+6=(x+a)(x+b)\)
と因数分解されると考えると、
\(x^2+5x+6=x^2+(a+b)x+ab\)
となるので、\(a+b=5\)、\(ab=6\)。

ここで、掛けて \(6\) になる整数の組は
\((1,6)、(2,3)、(-2,-3)、(-1,-6)\)
であり、このうち足すと \(5\) になるものは
\((2,3)\) である。

よって、\(a=2,b=3\) とすればよい。

したがって、
\(x^2+5x+6=(x+2)(x+3)\)
である。

要は、掛けて \(6\)、足して \(5\) になる2つの数字を見つければよいのです。
ポイントは、先にかけて \(6\) になる整数の組を先に見つけて、そのあとに足して \(5\) になる組を見つけることです。

次の例題も同じように解いてみましょう。

例題2

次の式を因数分解せよ。

(1) \(x^2+6x+8\)
(2) \(x^2-7x-30\)
(3) \(2x^2-20x+32\)

解答・解説

(1)
掛けて \(8\)、足して \(6\) になる整数の組は、
\((2,4)\) である。
よって、
\(x^2+6x+8=(x+2)(x+4)\)

(2)
掛けて \(-30\)、足して \(-7\) になる整数の組は、
\((-10,3)\) である。
よって、
\(x^2-7x-30=(x-10)(x+3)\)

(3)
まず、
\(2x^2-20x+32\)
\(=2(x^2-10x+16)\)

掛けて \(16\)、足して\(-10\) になる整数の組は、
\((-8,-2)\) である。
よって、
\(2x^2-20x+32=2(x-8)(x-2)\)

因数分解の計算:その3


\(2x^2+11x+15\) を先ほどの方法で因数分解しようとしてもできません。
このようなとき、

たすき掛け

を使って因数分解します。

たすき掛けの考え方はとても大事ですので、できるようにしておきましょう。

たすき掛けは、次のような手順で行います。

(A)
かけて \(2\) になる数の組をみつける。

今回の場合だと、
\((-2,-1),(1,2)\) である。

(B)
かけて \(15\) になる数の組をみつける。

今回の場合だと、
\((-15,-1),(-5,-3),(1,15),(3,5)\) である。

(C)
(A)でみつけた組を
\((a,c)\)、
(B)でみつけた組を
\((b,d)\)
として、
\(ad+bc=11\)
となるものをみつける。

今回の場合だと、\(1\cdot5+2\cdot3=11\) なので、
\((a,c)=(1,2)\)、
\((b,d)=(3,5)\)
である。

(D)
(C)でみつけた組
\((a,c),(b,d)\) に対し、
\((ax+b)(cx+d)\)
が因数分解された形になる。

今回の場合だと、
\((x+3)(2x+5)\)
が求める因数分解の形となる。

同じようにして、次の問題を解いてみましょう。

例題3

次の式を因数分解しなさい。

(1) \(6x^2-11x-10\)
(2) \(5x^2-18x-8\)
(3) \(18x^2+39x+18\)

解答・解説

(1)
(A)
掛けて \(6\) になる数の組は、
\((-6,-1),(-3,-2),(1,6),(2,3)\)
である。

(B)
また、掛けて \(-10\) になる数の組は、
\((-10,1),(-5,2),(-2,5),(-1,10)\)
である。

(A)でみつけた組 \((a,c)\) と、
(B)でみつけた組 \((b,d)\) で、
\(ad+bc=-11\) となるものは、
\((a,c)=(2,3),(-5,2)\)
である。

よって、
\(6x^2-11x-10\)
\(=(2x-5)(3x+2)\)

(2)
(1)と同じようにすればよい。
\(ac=5\)、\(bd=-8\)
となる数の組 \((a,c),(b,d)\) で、
\(ad+bc=-18\) となるものは、
\((a,c)=(1,5),(-4,2)\)である。

よって、
\(5x^2-18x-8\)
=\((x-4)(5x+2)\)
である。

(3)
まず、
\(18x^2+39x+18\)
\(=3(6x^2+13x+6)\)

\(ac=6\)、\(bd=6\)
となる数の組 \((a,c),(b,d)\) で、
\(ad+bc=13\) となるものは、
\((a,c)=(2,3),(3,2)\)である。

よって、
\(18x^2+39x+18\)
=\(3(2x+3)(3x+2)\)
である。




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