合同式とは
整数\(a\), \(b\)と自然数\(m\)に対し, \(a-b\)が\(m\)の倍数であるとき
$$a \equiv b \pmod m$$
と書く。
\(a \equiv b \pmod m\)であるとき, \(a\)と\(b\)は\(m\)を法として合同であるといいます。
例
\(8-5=3\)は\(3\)の倍数なので, \(8 \equiv 5 \pmod 3\)である。
\(8\)と\(5\)は\(3\)を法として合同である。
\(21-13=8\)は\(4\)の倍数なので, \(21 \equiv 13 \pmod 4\)である。
\(21\)と\(13\)は\(4\)を法として合同である。
\(16-(-2)=18\)は\(3\)の倍数なので, \(16 \equiv -2 \pmod 3\)である。
\(16\)と\(-2\)は\(3\)を法として合同である。
(合同式の中に登場する整数は負でもかまいません。)
なお, \(a \equiv b \pmod m\)であることと, \(a\)を\(m\)で割った余りと\(b\)を\(m\)で割った余りが等しいことは同値です。
上の例の場合, \(8\)を\(3\)で割った余りは\(2\), \(5\)を\(3\)で割った余りは\(2\)で等しいので, \(8 \equiv 5 \pmod 3\)であるともいえます。
つまり, 合同式とは「整数の割り算の余り」に着目した式といえます。
合同式と余りの関係
特に, 整数\(a\)を自然数\(m\)で割った余りが\(r\)であるとき, \(a \equiv r \pmod m\)となります。
実際, \(a\)を\(m\)で割った余りを\(r\)とすると, 商を\(q\)として\(a=mq+r\)が成り立ちます。
このとき\(a-r=mq\)より\(a-r\)は\(m\)の倍数なので, \(a \equiv r \pmod m\)が成り立ちます。
つまり, どんな整数も割り算したときのその余りと(割る数を法として)合同になる, ということです。
例
\(5\)を\(4\)で割った余りは\(1\)なので, \(5 \equiv 1 \pmod 4\)である。
\(18\)を\(5\)で割った余りは\(3\)なので, \(18 \equiv 3 \pmod 5\)である。
合同式の性質
以下は合同式の基本的な性質です。
特に累乗に関する性質はよく使うので、ぜひ覚えておいてください。
和に関する性質
\(a \equiv b \pmod m\), \(c \equiv d \pmod m\)のとき
$$a+c \equiv b+d \pmod m$$
合同な整数どうしは, 足しても合同だということです。
証明
\(a \equiv b \pmod m\), \(c \equiv d \pmod m\)より\(a-b=mk\), \(c-d=ml\)となる整数\(k, l\)が存在する。
$$
\begin{aligned}
&(a+c)-(b+d) \\
&=(a-b)+(c-d) \\
&=mk+ml \\
&=m(k+l)
\end{aligned}
$$
であり, \(k+l\)は整数なので, \((a+c)-(b+d)\)は\(m\)の倍数である。
したがって, \(a+c \equiv b+d \pmod m\)
差に関する性質
\(a \equiv b \pmod m\), \(c \equiv d \pmod m\)のとき
$$a-c \equiv b-d \pmod m$$
合同な整数どうしは, 引いても合同だということです。
証明
上と同様に、\(a \equiv b \pmod m\), \(c \equiv d \pmod m\)より\(a-b=mk\), \(c-d=ml\)となる整数\(k, l\)が存在する。
$$
\begin{aligned}
&(a-c)-(b-d) \\
&=(a-b)-(c-d) \\
&=mk-ml \\
&=m(k-l)
\end{aligned}
$$
であり, \(k-l\)は整数なので, \((a-c)-(b-d)\)は\(m\)の倍数である。
したがって,\(a-c \equiv b-d \pmod m\)
積に関する性質
\(a \equiv b \pmod m\), \(c \equiv d \pmod m\)のとき
$$ac \equiv bd \pmod m$$
合同な整数どうしは, かけても合同だということです。
証明
\(a \equiv b \pmod m\), \(c \equiv d \pmod m\)より\(a-b=mk\), \(c-d=ml\)となる整数\(k, l\)が存在する。
$$
\begin{aligned}
&ac-bd \\
&=ac-ad+ad-bd \\
&=a(c-d)+d(a-b) \\
&=aml+dmk \\
&=m(al+dk)
\end{aligned}
$$
であり, \(al+dk\)は整数なので, \(ac-bd\)は\(m\)の倍数である。
したがって, \(ac \equiv bd \pmod m\)
累乗に関する性質
\(a \equiv b \pmod m\), \(c \equiv d \pmod m\), \(n\)が自然数のとき
$$a^n \equiv b^n \pmod m$$
合同な整数どうしは, 同じ回数だけかけても合同だということです。
証明
数学的帰納法により示す。
\(k\)を自然数とする。
[1]\(n=1\)のとき
\(a^1=a \equiv b=b^1 \pmod m\)より合同式は成り立つ。
[2]\(n=k\)のとき合同式が成り立つと仮定する。
\(a \equiv b \pmod m\)かつ\(a^k \equiv b^k \pmod m\)であるので, 合同式の性質より\(a \cdot a^k \equiv b \cdot b^k\)
すなわち\(a^{k+1} \equiv b^{k+1} \pmod m\)
よって\(n=k+1\)のときにも合同式は成り立つ。
特にこの性質は整数の累乗の余りを求めるときに使います。
合同式を用いて余りを求める問題
ここでは, 合同式の性質を用いて整数の割り算の余りを求める問題を見てみます。
\(14^{100}\)を\(15\)で割った余りを求めよ。
\(14-(-1)=15\)なので, \(14 \equiv -1 \pmod {15}\)である。
合同式の累乗に関する性質より\(14^{100} \equiv (-1)^{100} = 1 \pmod {15}\)
したがって, 求める余りは\(1\)である。
\(14^{100}\)を直接計算して余りを求めることは(現実的には)難しいはずです。しかし, このように合同式の性質を用いることで, 一瞬で余りを求めることができます。

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