[数1] 多項式

ここでは多項式について解説します。多項式は計算の途中でよく登場しますので、きちんと理解することが重要です。

ポイント
  • いくつかの単項式の和を多項式という。
  • 多項式の同類項をまとめることができる。
  • 多項式には次数がある。
  • 特定の文字に着目して、多項式の次数や定数項を求めることができる。

多項式と同類項

多項式とは

まずは多項式とは何かをみていきましょう。多項式は、単項式を使って定義されます。

定義

いくつかの単項式の和を多項式という。
多項式のそれぞれの単項式をという。

つまり、
\(x^2+(-3x) + 4\)のように、単項式の和になっている式を多項式といいます。

また、この多項式をなす単項式は\(x^2\)、\(-3x\)、\(4\)なので、この多項式のは\(x^2\)、\(-3x\)、\(4\)になります。

なお、多項式\(x^2+(-3x) + 4\)は簡単に\(x^2-3x+4\)と書くことが多いです。

同様に、

\(-2x+3y\)は単項式\(-2x\)と\(3y\)の和なので多項式です。項は\(-2x\)、\(3y\)です。

\(1-x+x^2\)は\(1-x+x^2 = 1 + (-x) + x^2\)より単項式\(1\)、\(-x\)、\(x^2\)の和なので多項式です。項は\(1\)、\(-x\)、\(x^2\)です。

\(\sqrt{2}x-\dfrac{1}{5}x^2+\dfrac{2}{3}\)も、
$$\sqrt{2}x-\dfrac{1}{5}x^2+\dfrac{2}{3} = \sqrt{2}x + \left( -\dfrac{1}{5}x^2 \right)+\dfrac{2}{3}$$
より単項式\(\sqrt{2}x\)、\(-\dfrac{1}{5}x^2\)、\(\dfrac{2}{3}\)の和なので多項式です。

項は\(\sqrt{2}x\)、\(-\dfrac{1}{5}x^2\)、\(\dfrac{2}{3}\)です。

逆に、\(\dfrac{1}{x}\)は単項式でないので、\(x + \dfrac{1}{x}\)は多項式ではありません。

同様に、\(-a + \dfrac{1}{a^2}\)や、\(y-\sqrt{y}\)なども多項式ではありません。

※\(2x\)など、単項式そのものも「多項式」ということがあります。

多項式の同類項

同類項という言葉は聞いたことがある人が多いでしょうが、ここで一度見ておきます。

定義

多項式の中で、文字の部分が同じ項を同類項という。

多項式\(2x^2-5x+3-3x^2+4x-1\)において、項\(2x^2\)と\(-3x^2\)は文字の部分が同じ\(x^2\)なので、同類項です。

また、項\(-5x\)と\(4x\)は文字の部分が同じ\(x\)なので、同類項です。

項\(3\)と\(-1\)も、文字の部分が同じ(文字が\(0\)個かけられている)と考えて、同類項です。

例題1

次の多項式の項をすべてあげ、そのうち同類項になっているものをすべてあげよ。

$$x^2-2xy+y-4x^2+6xy+2y$$

例題1の解答・解説

項は\(x^2\)、\(-2xy\)、\(y\)、\(-4x^2\)、\(6xy\)、\(2y\)。

このうち同類項は \(x^2\)と\(-4x^2\)、\(-2xy\)と\(6xy\)、\(y\)と\(2y\) である。

問題1

次の多項式の項をすべてあげ、そのうち同類項になっているものをすべてあげよ。

$$x^2y-2xz^2+3xy+4+3x^2y-5xy+xz^2-6$$

項は\(x^2y\)、\(-2xz^2\)、\(3xy\)、\(4\)、\(3x^2y\)、\(-5xy\)、\(xz^2\)、\(-6\)。

このうち同類項は、\(x^2y\)と\(3x^2y\)、\(-2xz^2\)と\(xz^2\)、\(3xy\)と\(-5xy\)、\(4\)と\(-6\)である。

同類項をまとめること

多項式が与えられたとき、同類項をまとめることで、多項式をより簡単な形にできます。

同類項は、係数どうしの和を考えてまとめることができます。

例えば、多項式
$$
\begin{aligned}
&2x^2-5x+3-3x^2+4x-1
\end{aligned}
$$
において、

$$
\begin{aligned}
&2x^2-5x+3-3x^2+4x-1 \\
&=(2-3)x^2+(-5+4)x+(3-1) \\
&=-x^2-x+2
\end{aligned}
$$

のように同類項をまとめることができます。

問題2

次の多項式の同類項をまとめよ。

$$
\begin{aligned}
&(1) \hspace{0.2em} 5x^2-2x+4-3x^2+3x-8 \\
&(2) \hspace{0.2em} 2a^2-2ab+4b^2+7a^2-6ab-9b^2
\end{aligned}
$$

同類項の係数を足して考えればよい。

$$
\begin{aligned}
&(1) \\
&5x^2-2x+4-3x^2+3x-8 \\
&=(5-3)x^2+(-2+3)x+(4-8) \\
&=2x^2+x-4 \\\\

&(2) \\
&2a^2-2ab+4b^2+7a^2-6ab-9b^2 \\
&=(2+7)a^2+(-2-6)ab+(4-9)b^2 \\
&=9a^2-8ab-5b^2
\end{aligned}
$$

多項式の次数

単項式に次数があったように、多項式にも次数があります。
多項式の次数は、単項式の次数を使って定義されます。

多項式の次数

まずは、多項式の次数とは何かを解説します。

定義

同類項をまとめた多項式において、一番次数の高い項の次数をその多項式の次数という。
また、次数が\(n\)である多項式を\(n\)次式という。

一番次数の高い項」というのが大事です。

たとえば、多項式\(2x^2+x-4\)の項は\(2x^2\)、\(x\)、\(-4\)です。
このうち一番次数が高いものは\(2x^2\)であり、その次数は\(2\)です。

よって、\(2x^2+x-4\)の次数も\(2\)になります。
このことより、\(2x^2+x-4\)は\(2\)次式です。

同じようにして、多項式\(4a^2b^2-3ab^2+5ab\)の項は\(4a^2b^2\)、\(-3ab^2\)、\(5ab\)です。
このうち一番次数が高いものは\(4a^2b^2\)であり、その次数は\(4\)です。

よって、\(4a^2b^2-3ab^2+5ab\)の次数は\(4\)になります。
このことより、\(4a^2b^2-3ab^2+5ab\)は\(4\)次式です。

問題3

次の多項式は何次式かいえ。

$$
\begin{aligned}
&(1) \hspace{0.2em} -3x^2-4x-8 \\
&(2) \hspace{0.2em} 7-3y^2+4y^3+2y^4\\
&(3) \hspace{0.2em} 3a^2b^2c-a^2bc+2abc+ab+2bc \\
&(4) \hspace{0.2em} 2x^3-5x+2-2x^3+6x+1
\end{aligned}
$$

(1)
\(-3x^2-4x-8\)のうち一番次数が高い項は\(-3x^2\)で、その次数は\(2\)。よって\(2\)次式。

(2)
\(7-3y^2+4y^3+2y^4\)のうち一番次数が高い項は\(2y^4\)で、その次数は\(4\)。よって\(4\)次式。

(3)
$$3a^2b^2c-a^2bc+2abc+ab+2bc$$
のうち、一番次数が高い項は\(3a^2b^2c\)で、その次数は\(5\)。よって\(5\)次式。

(4)
$$2x^3-5x+2-2x^3+6x+1$$
同類項をまとめると、\(x+3\)になる。この中で一番次数が高い項は\(x\)で、その次数は\(1\)。よって\(1\)次式。

※次数は同類項をまとめてから求めます。
$$2x^3-5x+2-2x^3+6x+1$$
の中で一番次数が高い項が\(2x^3\)と\(-2x^3\)だから\(3\)次式とするのは間違いです

実際、同類項をまとめるとこれらの項が打ち消しあい、\(3\)次の項がなくなります。

次数は必ず同類項をまとめてから求めましょう。

多項式の次数(特定の文字に着目する場合)

複数の文字を含む単項式では、特定の文字に着目して次数を求める場合がありました。
多項式でも、同様に特定の文字に着目して次数を求めることがあります。

単項式の場合と同様に、着目しているもの以外の文字は数字扱いします。
またこのとき、着目している文字を含まない項を定数項といいます。

多項式\(mx^2+m^2xy+x+y\)で考えてみましょう。

文字\(x\)に着目すると、\(x\)以外の文字は数字扱いして、
$$mx^2+m^2xy+x+y=mx^2+(m^2y+1)x+y$$
よりこの多項式は\(2\)次式で、定数項は\(y\)です。

文字\(mとy\)に着目すると、\(m\)と\(y\)以外の文字は数字扱いして、
$$mx^2+m^2xy+x+y=xm^2y+x^2m+y+x$$
より次数は\(3\)で、定数項は\(x\)です。

問題4

次の多項式の、[ ]内の文字に着目したときの次数と定数項をいえ。

$$
\begin{aligned}
&(1) \hspace{0.2em} x^2y^2+2x^3+xy+2x+y \quad [\, y \,] \\
&(2) \hspace{0.2em} a^2bc-a^3c-ab^2+3a-b+1 \quad [\, \text{a と c} \,]
\end{aligned}
$$

(1)
\(y\)以外の文字を数字扱いする。
$$
\begin{aligned}
&2x^3-x^2y^2+xy+2x+y \\
&=-x^2y^2+(x+1)y+(2x^3+2x)
\end{aligned}
$$
であるから次数は\(2\)で、定数項は\(2x^3+2x\)。

(2)
\(a\)と\(c\)以外の文字を数字扱いする。
$$
\begin{aligned}
&a^2bc-a^3c-ab^2+3a-b+1 \\
&=-a^3c+ba^2c+(-b^2+3)a+(-b+1)
\end{aligned}
$$
であるから次数は\(4\)で、定数項は\(-b+1\)。

まとめ

いくつかの単項式の和を多項式という。
多項式の文字が同じ項を同類項といい、同類項は係数の和を考えることでまとめられる

同類項をまとめた多項式の中で次数が最大の項の次数を、その多項式の次数という。

多項式の特定の文字に着目して、次数や定数項を求めることがある。
そのときには、着目しているもの以外の文字を数字扱いする。




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